福田結晶技術研究所 電話番号 022-303-0170

Ce : YAG / Al2O3 MGC

 MGC(Melt Glass Composite)は、当社の独自技術μ-PD法により育成した一方向凝固共晶体で、車のヘッドライトなどに使われる次世代ハイパワーレーザー白色光源に適した蛍光散乱体となります。この結晶により水銀を使う放電HIDランプの代替となりうる。環境負荷の低い照明が可能になります。
 μ-PD法は、CZ法に比べ結晶作製速度が速く、またファイバーも作製が可能です。
 色調に合わせ、CeドープYAG/Al2O3の他に、CeドープLuAg/Al2O2も作製可能です。どちらもドープ量によって色味を調整できます。

特徴

  • μ-PD法育成による形状制御技術
  • 融点直下の高温化でも、常温と同等の高度を維持できる
  • カラーバランスの調整がドープにより可能
  • 従来のセラミクス蛍光体に比べ、強靭性、耐熱性が高く、クラックが発生しない
μ-PD法で育成したCe-YAG/Al2O3 MGC
(右上)ファイバ (左上)  5mm角 (下) 10mm幅板

LD励起蛍光体材料比較

μPD法

μ-PD法形状制御技術

NEDO研究開発型ベンチャー技術開発助成事業
「マイクロ引下げ」法による高機能単結晶材料の量産技術開発」(2005~06)

東北大学金属材料研究所(福田研究所)で
開発された独創的技術

サファイアプレート単結晶 
チューブ単結晶
Pr: LuAG角棒単結晶
シンチレーター用

解説

 GaNや窒化インジウムガリウム(InGaN)の単結晶育成が可能となり、紫外から青色の発光ダイオード(LED)あるいはレーザーダイオード(LD)が実現されたことにより、これらと組み合わせて使用する特性の良い蛍光体材料の需要が大きくなっている。近年、遠方を照らす白色光源の開発が進行しており、強度の強いLDによる励起パワーでも損傷しない蛍光体の開発が望まれている。青色LEDと組み合わせる白色光源用の黄色蛍光体として、セリウム(Ce)添加YAGの粉末や圧粉ペレット、セラミックスなどが利用されてきている。LD励起では、LED励起と異なり、微小スポットで励起し、また光強度自体も強いことから、蛍光体に~300℃/minの局所的に温度上昇が生じる。そのため、LD励起の白色光源の蛍光体では、温度消光の他にクラックの発生が顕著になるという問題があり、特に励起パワーが2Wを超えるとセラミックス焼結体が損傷して使用不可になる。最近、耐久性の高い共晶体に着目し、Ce等の発光元素を添加することでLD励起用蛍光体とするための技術開発が進んでいる。

 具体的にはCeを添加したYAG/Al2O3の一方向凝固による共晶体(MGC(Melt Growth Composite))である。MGCでは、二相の結晶相が冷却面から一方向に成長していくため、各相の方位がそれぞれ比較的揃っており、二相が互いに絡み合ったような文象組織を示す。YAGとAl2O3はいずれも硬度と化学的安定性の高い結晶材料であるが、MGCでは相同士が原子レベルで結合しているため相間の結合強度が強く、亀裂が入りにくい。またCe:YAG/Al2O3のMGCは共晶点が1800℃弱であるため耐熱性も高いという利点がある。蛍光体として機能しているのはCe:YAG相である。Al2O3相にはCeは入らないが散乱体として機能しており、また、熱伝導率が高いため放熱体としても役に立っていると考えられる。μ-PD法で作成したCe:YAG/Al2O3 MGCを蛍光体として用いると出力8W程度まで耐久性があることが判明している。 これまでCe:YAG/Al2O3 MGCは垂直ブリッジマン法、レーザー又は光学浮遊溶融法、水平一方向性凝固、チョクラルスキー法のほか、μ-PD法により作成されている。共晶体の凝固速度(育成速度)が文象組織のサイズスケールを決めている。μ-PD法は他の手法と比較して、圧倒的に高速(一~二桁高速)である。そのため、この手法では50~100μm程度の文象組織の構造を数μm程度まで微細化が可能である。この微細構造がセラミックスなどと比較してLD励起白色光源用の蛍光体として性能向上、特に高温での性能維持に非常に良いことが判ってきている。

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