社長略歴

福田承生略歴

福田　承生
東北大学　名誉教授
株式会社 福田結晶技術研究所　代表取締役社長
住所　〒989-3204 仙台市青葉区南吉成6-6-3  LABO･CITY仙台
TEL.022-303-0170　FAX.022-303-0171

学歴

1964年3月 東京大学　理学部　卒業

学位

1971年1月 東京大学から理学博士の学位

職歴

1964年4月	東京芝浦電気株式会社（現株式会社東芝）入社
1964年6月	同社　中央研究所
1978年4月	同社　総合研究所　電子部品研究所　主任研究員
1981年10月	光応用システム技術研究組合光技術共同研究所　第1研究室長（出向）
1986年10月	同社　総合研究所　電子部品研究所　研究主幹
1987年4月	東北大学　金属材料研究所　教授
2000年4月	東北大学　金属材料研究所 教授、 併任　新素材設計開発施設長
2002年4月	株式会社福田結晶技術研究所　代表取締役社長　(現在に至る) 東北大学　名誉教授　(現在に至る) 東北大学　多元物質科学研究所 研究教授
2002年6月	東北大学　多元物質科学研究所 先導結晶化学技術寄付研究部門　客員教授
2004年5月	ソルボサーマル結晶成長技術研究組合　　　理事長
2007年4月	東北大学　多元物質科学研究所 研究教授
2008年10月	東北大学　原子分子材料科学高等研究機構　　連携教授

受賞履歴

1980年3月	大河内記念技術賞 「タンタル酸リチウム単結晶を用いた弾性表面波フィルタの研究」
1984年11月	日本結晶学会賞 「磁場印加融体被覆引上げ法によるGaAs単結晶育成について」
1985年4月	科学技術長官賞 「磁場印加液体封止引上げ法によるガリウムひ素単結晶作成技術の研究」
1987年8月	日本結晶成長学会論文賞 「Growth condition dependence of EL2 concentrations in magnetic field applied LEC GaAs crystals」他
2000年5月	フランス・リヨン賞 「化学分野における結晶成長での研究業績」
2000年5月	フランス科学研究賞 「結晶成長結晶材料における優れた研究活動」
2004年8月	日本結晶成長学会貢献賞 「 結晶成長学会の活動に関して功績顕著であり学会の目的達成に多大の貢献」
2007年5月	J.チョクラルスキー･ゴールドメダル賞 「結晶成長分野における数多くの学術貢献」
2008年1月	河北文化賞 「単結晶材料の研究開発で東北の企業を育成した功績」
2011年11月	日本結晶成長学会　第6回業績賞および赤﨑勇賞 「酸化物単結晶、化合物半導体単結晶の結晶成長技術の研究とその実用化」
2017年10月	アジア結晶成長･結晶工業学会 CGCT Lifetime Achievement Award賞

これまでの歩み

　多年にわたり結晶成長技術の研究を推進し、化合物半導体(GaP, GaAs, InP)、誘電体、酸化物、フッ化物など多岐にわたる結晶成長技術を確立するなど各企業での実用化に貢献してきました。

　1980年にタンタル酸リチウム単結晶を用いた弾性表面波フィルタの結晶の量産化に成功しました。1981年からは通産省主導の国家プロジェクトにおける光技術共同研究で、国内電気メーカー連合チームのリーダーとして高純度大型GaAs単結晶成長技術を開発し、多くの企業での実用化に貢献してきました。　これらの結晶は今日の移動体通信環境を支える高周波素子の基板結晶として重要な役割を果たしています。

　1987年、東北大学金属材料研究所の教授に就任し、一貫して結晶成長技術を深耕し、基礎から応用まで教育、研究に携わり、数多くの人材を育成しました。また、産学官を積極的に推進して、JSPS未来開拓学術研究推進事業研究プロジェクト「次世代機能素子用基盤としての単結晶の育成と評価」（PL福田1997年～2001年）をはじめ、多数の結晶成長に関する産学連携国家プロジェクトにおけるリーダーとして活躍し、結晶成長の研究、結晶成長関連の学会および産業界の発展に貢献しました。

　2002年、東北大学定年退官後、多元物質科学研究所へ移り、客員教授として新たなベンチャー企業 福田結晶技術研究所を設立して活動し、それまでの実績をベースにして市場での実用化が可能であることを実践しました。　海外との交流は、ドイツ、フランス、イギリス、ポーランド、ルーマニアにはたびたび訪れ、共同研究を行うとともに、中国、韓国の結晶成長の発展にも貢献してきました。　その結果、2007年には結晶分野で世界的に有名なヤン･チョクラルスキー･ゴールドメダルを受賞しました。また、2008年には大学の研究を民間の事業につなげる橋渡し役として、「単結晶材料の研究開発で東北の企業を育成した功績」が称えられ、河北文化賞を受賞しています。　さらに2011年には今日の移動体通信環境を支える高周波素子の基板結晶として重要な役割を果たした「酸化物単結晶、化合物半導体単結晶の結晶成長技術の研究とその実用化に寄与した功績」により、日本結晶成長学会から業績賞および赤﨑勇賞が表彰されました。

　チョクラルスキー法でリソグラフィー用大型12インチφCaF₂単結晶育成、圧電用ランガサイト系結晶、シンチレータ用LuAG結晶等数々の結晶の開発と実用化に成功しました。また、水熱合成法でのZnO結晶、超臨界アモノサーマル法でのGaN結晶の成長技術開発にも成功しています。独創的なマイクロ引下げ法によるファイバー単結晶作製等にも成功し、これらの幅広い結晶成長技術開発により多くの企業での実用化を進展させてきました。　大学、国公立研究機関、企業等との共同研究も促進し、論文出版は英文で700編を超える数に至っています。

　2012年以後は企業に専念し、まずサファイア結晶基板の製造技術開発に力を入れました。2013年には世界で初めて10インチ結晶引上げに成功するなど、大きな成果を収めました。　
　
　これらの技術を金属結晶作製にも応用し、世界で初めて鉄ガリウム合金単結晶で引上げることに成功しました。 鉄ガリウム合金は、1998年に米国海軍研究所で開発された磁場を与えると歪み(変形)を生ずる磁歪材料です。 福田結晶技術研究所で作製した単結晶は米国の多結晶と比較して、様々な特性効果を持ち、振動によって発電するため、IoT用に需要が高まる通信機器や道路などの監視センサ－用供給電源など広範囲な用途への利用が期待されています。

　ScAlMgO₄単結晶は、1995年に米国ベル研究所で高輝度のGaN LED用結晶基板として開発されました。 結晶作製が難しく研究が進展しませんでしたが、福田結晶技術研究所でチョクラルスキー法により世界で初めて直径４インチ単結晶作製に成功しました。 また、無転位ScAlMgO₄単結晶作製も可能にしました。今後はマイクロLED、レーザー、パワーデバイス、高周波デバイスなどへの活用が期待されます。

客員研究官、非常勤講師

• 東京大学大学院理学系研究科(5回)、科学技術庁金属材料技術研究所(5回)
• 九州大学大学院工学研究科(1回)、大阪大学大学院工学研究科(3回)
• 大阪大学レーザー核融合研究センター(3回)、科学技術庁無機材質研究所(3回)
• 名古屋大学大学院工学研究科(2回)
• 漢陽大学　研究教授　1998年3月-2003年
• 成均館大学　客員教授　2002年3月-2005年2月
• リヨン1クラウデ　ベルナルド大学　客員教授　2002年5月-2003年3月

学会ならびに社会における活動

• 日本学術振興会結晶成長の科学と技術第161委員会　委員長(1996～2008年)、名誉委員(2008年～現在)
• 人工結晶工学会　会長(2000年～2004年)、名誉会員(2004年～)(2005年日本結晶成長学会に統合)
• 日本結晶成長学会　名誉会員(2006年～現在)
• 韓国結晶成長学会　名誉会員(2000年～現在)
• アジア結晶成長及び結晶技術国際会議　会長(1999～2001年)、名誉会長(2002年～現在)
• ルーマニア材料科学結晶成長学会　名誉会員(2006年～現在)
• ソルボサーマル結晶成長技術研究組合　理事長(2004 -2009年)
• (財)光産業技術振興協会　技術アドバイザー
• (財)特殊無機材料研究所　評議員

発起人・主催

• メルトグロース研究会
• (財)光産業技術振興協会　LN委員会
• 日本学術振興会結晶成長の科学と技術第145委員会　E分科会
• 日本学術振興会結晶成長の科学と技術第161委員会
• 国際レーザー、非線形光学材料シンポジウム
• 日中電子材料結晶成長シンポジウム
• 日韓結晶成長シンポジウム
• 日台結晶成長シンポジウム

講演

2016年10月	ICPSCG（International Conference on Party Systems and Country Governance） 「Large-scale Crystal Growth of Emerging Materials for Electronics by Advanced Czochralski Technique」
2017年3月	応用物理学会 「金属酸化物の結晶物性に迫るバルク結晶作成技術と結晶物性」 －最先端結晶成長技術による新電子材料単結晶の創出と実用化－
2017年5月	日本学術振興会　第161委員会第100回研究会 「未来を拓く結晶成長の科学と技術」結晶成長技術のフロンティア
2018年7月	東北大学金属材料研究所 研友会 「フッ化物単結晶、酸化物単結晶、金属単結晶の開発」
2021年1月	一般社団法人　日本ファインセラミックス協会　　第35回JFCAテクノフェスタ 「ScAlMgO₄単結晶を用いた高品質GaN自立基板」

著書

『現代エレクトロニクスを支える単結晶成長技術』
日本学術振興会結晶成長の科学と技術 第161委員会(編集)
・福田承生･千川圭吾（編著）
・培風館（1999）

『 Crystal Growth Technology 』
・H. Scheel and T.Fukuda
・John Wiley & Sons (2003)

『 Fiber Crystal Growth from the Melt 』
・T.Fukuda, P. Rudolph and S.Uda
・Springer (2003)

『バルク単結晶の最新技術と応用開発』
・福田承生
・シーエムシー出版（2006）

『Shaped Crystals, Growth by Micro-Pulling-Down Technique』
・T.Fukuda and V.I.Chani
・Springer (2007)

論文

結晶論文総数700以上のうち、直近の論文のみを記載。